「名歌舞伎役者・市川団十郎」
初代の大祖父は武田氏の家臣

 初代市川団十郎の大祖父は甲斐武田氏の武将一条信竜に仕えた堀越十郎で、北条氏との戦いの武功によって、三珠町上野の土地を拝領したと伝えられている。武田氏滅亡後は千葉に移り、孫の重蔵の代に江戸へ。その子・蝦蔵は14歳で山村座の舞台を踏み、市川段十郎を名乗った。12代団十郎は先祖の地の顕彰を実現しようと、三珠町上野に市川家の紋「三枡」をあしらった碑を1984(昭和59)年建立。町は88年、碑を中心にした歌舞伎文化公園を造成、今では「歌舞伎の町」としてすっかり定着している。


歌舞伎文化公園ふるさと会館(上野3158)
市川団十郎ゆかりの地にちなみ、町が歌舞伎の振興を目指して建設。城の天守閣を模した展望台からは甲府盆地を一望、南アルプスや八ケ岳も望むことができる。会館の一部は500人収容の多目的ホールで、歌舞伎の公演を中心に新劇や音楽会などにも利用できる。館内2階の考古資料館では町内の古墳などから出土した土器や副葬品、刀剣、古文書などを展示している。
(マップ:三珠町(上野,大塚,三帳,下芦川高萩,中山,畑熊,垈)) ※写真はこちらです

歌舞伎文化資料館(上野3158)
歌舞伎に関する資料や歴代の団十郎の写真や肖像画を紹介。団十郎の18番「助六由縁江戸桜」を演ずる11代目団十郎の舞台を等身大の人形で再現している。三珠町の名誉町民で県美術協会の初代委員長土屋義郎氏の絵画も展示している。
(マップ:三珠町(上野,大塚,三帳,下芦川高萩,中山,畑熊,垈))

三珠町民俗資料館(上野3158)
1997年3月、歌舞伎文化公園内にオープン。明治から昭和時代にかけて町内で使われていた、鋤(す)き、鍬(くわ)、脱穀機、水田除草機などの農機具を展示している。
(マップ:三珠町(上野,大塚,三帳,下芦川高萩,中山,畑熊,垈))

一瀬桑親株(上野33)
養蚕で使う桑の最良品種の親株。三珠町はかつて養蚕が盛んで、一瀬桑は同町の一瀬益吉が1901(明治34)年、2株発見した。収穫量が多く葉質もよいうえ、寒冷地でも育つことから、推奨品種として増殖し全国の養蚕農家に普及した。親株は現在も保存され、県天然記念物に指定されている。
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光勝寺(上野4308)
本尊の千手観音像など3つの像は鎌倉時代の運慶の作品と伝えられる。初夏には寺前の県道から境内にかけて色鮮やかなアジサイが咲き乱れることから「あじさい寺」とも呼ばれる。
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大塚古墳(大塚)
町内で形が残っている4つの古墳のうち、最大の規模。帆立貝型前方後円墳で残っている部分の全長は約40m、後円部は直径36m。5世紀末から6世紀前半ごろの築造と考えられている。県内では唯一確認されている鈴がついた腕輪、鈴釧(すずくしろ)や六鈴鏡などが出土している。
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鳥居原狐塚古墳(大塚)
1894(明治27)年からの発掘によって石室や埋葬品が発見された。中国の年号「赤烏元年」(238年)の年号が入った神獣鏡は1979(昭和54)年、国内最古の紀年銘鏡として重要文化財に指定された。
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芦川第一発電所(上野)
1900(明治33)年に当時の甲府電力が芦川の水を利用して建設した、県内初の水力発電所。同5月10日から甲府へ初めて送電した。当時の発電力は105kw、現在は最大発電力470kw。町内では06年に芦川第2発電所、11年には芦川第3発電所が建設された。同町の歌舞伎文化公園には水力発電発祥の郷(さと)の碑が建立されている。
(マップ:三珠町(上野,大塚,三帳,下芦川高萩,中山,畑熊,垈))

ナーシングプラザ三珠(上野2968)
医療法人桃潤会が運営する老人保健施設。リハビリ室、療養室などを備え、在宅と病院の中間的な療養ができる。ロングステイ、ショートステイ、デイケア(通所)の3コース。※0552・72・8611。
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ぼたんの花まつり(上野)
ボタンは歌舞伎の市川家の替紋で、歌舞伎文化公園や公園付近の広域農道沿いに約8千本が植栽されている。まつりは4月の開催。公園や広域農道沿いに咲き乱れるボタンをPRするため今年から始まった。会場の歌舞伎文化公園には芝生の広場に休憩用のパラソルを立ててボタン観賞のために開放、地元産のトウモロコシをはじめ茶、タケノコなど峡南地方の特産品を販売する。
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表門(うわと)神社・一之酉祭典(上野2767)
表門神社は日本三大文殊の一つで、市川文殊とも呼ばれる知恵文殊の神として知られる。毎年2月の第1日曜日に開かれる一之酉祭典は峡南地方に春の訪れを告げる祭りといわれ、神楽殿では神楽保存会の会員が「須佐之男命(すさのおのみこと)」などの木彫りの面を付け、町文化財に指定されている「太々(だいだい)神楽」の「大蛇(おろち)退治の舞」などを披露する。
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御輿(みこし)の川渡り(上野)
「御幸さん」と呼ばれ、毎年4月の第1日曜日、表門神社の春の大祭の中で行われる。1655(明暦元)年に御陽成天皇の第8皇子良純親王が橋の上でみこしを見ていたため、みこしが橋を渡るのをためらい川の中を歩いて渡ったのが始まりといわれる。神社から市川大門町の御崎神社に向かうみこしが、芦川を水しぶきを上げて横断。担ぐのは三珠町内の男性ら約20人で「ヨイトー、メントー」の掛け声をかけながら威勢よく練り歩く。
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百八灯祭(高萩)
8月22日の夜、金比羅山で繰り広げられる、300年前からの伝統行事。芦川沿い約300mにわたって108の灯明(とうみょう)に一斉に火がつけられ、幻想的な雰囲気を醸し出す。人間にある108の煩悩を清浄の火で焼き尽くすという意味合いがあり、かつては大豆がら、麦わらを燃やしていたが今は灯油を使うという。
(マップ:三珠町(上野,大塚,三帳,下芦川高萩,中山,畑熊,垈)) ※写真はこちらです

芦川渓谷 
芦川に沿った全長約25kの渓谷で、芦川は芦川村を上流に三珠町の南部を横断をして、市川大門町で笛吹川と合流する。三珠町内は約12k。秋はモミジなどの紅葉と川のコントラストが鮮やか。ヤマメ、イワナなどの渓流釣りも楽しめる。流域にはこの地が生息地の北限となるミスミソウ(ユキワリソウ)や、セツブンソウの群生地などがある。川沿いの県道はヤマブキが植栽されており「ヤマブキ街道」と呼ばれる。
(マップ:三珠町(上野,大塚,三帳,下芦川高萩,中山,畑熊,垈))

千波の滝(畑熊)
芦川の支流、蛇沢の滝で高低差は約150m。滝の上部約3分の1の場所に岩が突き出しており、滝の水はそこに当たって滝つぼに落ちるのが特徴。
(マップ:三珠町(上野,大塚,三帳,下芦川高萩,中山,畑熊,垈))