勝山村
(見どころ)

  1. 田中冬二詩碑(3821-2)
    村ゆかりの詩人田中冬二(1894-1980年)にちなんで村が96年に建立した。冬二が43(昭和18)年に勝山を訪れたときの作品「朝の食卓に近い 窓いっぱいに富士 目近く見る 富士は意外に小さい スープに浮かんだ その富士を スプーンに掬(すく)ふ」を刻んでいる。詩碑は山の形をした高さ約1mの下石に、皿形の高さ約60cmの上石を積み上げてあり、上石はスープに浮かんだ逆さ富士をイメージしている。書は冬二と親交があった書家の藤森雨迹さんが書いた。
  2. 谷崎潤一郎文学碑(3810-4)
    河口湖に滞在して「細雪」を執筆した谷崎潤一郎(1886-1965年)にちなんで村が96年に建立した。代表作「細雪」の一節「何處(どこ)か日本の國(くに)でない遠い所へ来たやうな気がしたが―中略―炭酸水を喫するやうな心持であたりの空氣(き)を胸一杯吸った」が谷崎の直筆通り刻まれている。碑は寄ケ崎の先端に建てられ、高さが台座を含めて1.6m、横1.8m。本を開いた形のデザインとなっている。
  3. 富士勝山スズ竹伝統工芸センター(1006)
    伝統産業の「甲州郡内ザル」の保存のために79(昭和54)年から運営してきた甲州郡内ザル学校を97年、名称変更した。甲州ザルは富士北ろくに自生するスズ竹を素材にしている。ザル学校はザルを作っている高齢者らが村老人福祉センターで酒ザルや五升ザルなどを作り、製作風景などを公開していたが、工芸センターとなってからは花カゴやミニサイズのショイカゴなどの生産に力を入れ、ザルを編み上げる技術を生かした工芸品の開発、販売などに取り組んでいる。
  4. 富士御室浅間神社(3751の1)
    祭神は木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)。本宮は富士山吉田口登山道2合目の勝山村飛び地に、里宮が勝山村の河口湖畔にある。本宮の創建は699(文武3)年で、富士山周辺では最も古い神社と伝えられる。武田家の祈願所でもあり武田家3代の関係文書も多く残されている。本殿は桃山時代の特徴を残す数少ない建造物として重文に指定されている。
  5. 妙本寺(609)
    1261(弘長元)年の建立。日蓮上人の直弟子、日法上人の自筆の「板まんだら」が保存されている。
  6. 八王子神社(938)
    1186(文治2)年の建立。本殿には須佐之男命(すさのおのみこと)と5男3女神の八王子を祭っている。
  7. 勝山村歴史民俗資料館(3751の1)
    1977(昭和52)年の開館。1階には明治時代から昭和初期にかけての機織り器具や農機具、生活用品などを展示、2階には武田3代を中心とした古文書を展示している。
  8. 勝山記
    富士御室浅間神社伝の古記録で、戦国時代の甲斐や周辺隣国の状況を知る上での貴重な史料。全1巻で564-1559年の約1千年間における富士北ろくの農民の暮らしや戦国大名の外交、雪代や地震、火山などの気象現象などについて記載がある。県文化財。
  9. 武田信虎棟別免許判物
    1529(享禄2)年の書状で、「勝山」という漢字が書かれた現存する最古のもの。県文化財。
  10. 安産祈願状
    武田信玄が北条氏政に嫁いだ長女黄梅院のために、富士御室浅間神社に奉納した安産祈願文で、2通ある。県文化財。