「溶岩スパイラクル群」
噴火ガスが生んだ造形の妙

 1987(昭和62)年、ジラゴンノ地区の村営運動場造成工事現場から、長さ約300mの溶岩崖(がい)が姿を現した。この崖壁にこれまで見たこともない「溶岩スパイラクル(溶岩水蒸気噴気孔)」が発見された。溶岩流が外気に触れて急激に冷却されたため、内部に含まれたガスが抜け出た跡とみられる。溶岩壁には大気と接する地表部分に細かく無数の穴が開いた層があり、大半はだ円形で、内部の方が硬くち密な構造。この溶岩造形は、864(貞観6)年に起きた「貞観の富士山大噴火」によってもたらされたといわれており、質、規模とも世界的に注目されている。 ※写真はこちらです


鳴沢の溶岩樹型(8531-1)
今から約1134年前の864(貞観6)年、富士山の側火山長尾山の爆発の際、溶岩流に大木が包み込まれ大木が燃え冷えて固まり、その原形が残ったもの。前丸尾と西原道下にあり、国道139号線沿いに合計12個の木型が存在する。国の特別天然記念物。
(マップ:鳴沢村)

鳴沢氷穴 
全長約150mの洞くつ内は、厚さ5-6cmの万年氷が張り、冬の間に天井からしみ出した水滴が天然のつららとなっている。江戸時代、夏にこの氷が幕府に献上されたという。国の天然記念物。
(マップ:鳴沢村)

溶岩球群 
貞観の噴火の際、溶岩が球状のまま冷え固まったものと思われる。大きい物は直径1・40m、周囲4・40mもの巨大ボールが5つ。2年前に発見され、県が天然記念物に指定。
(マップ:鳴沢村)

富士山原始林 
富士山ろくに広がる、広大な大樹海。溶岩流の上に、長い年月をかけて樹木が密生したもので、その代表として青木ヶ原樹海がある。国の天然記念物。
(マップ:鳴沢村)

魔王天神社(7585-2)
鳴沢溶岩樹型のすぐ近くにあり、荘厳にそびえ立つ富士山にそっぽを向くように正面を東に向けている。祭神は、経津主命(ふつぬしのみこと)。毎年4月18日には、約160年前から村に伝わる鳴沢の太々神楽が奉納される。「天の岩戸の舞」など「12の舞」で構成。現在、保存会(渡辺利一会長)が中心になって継承活動を行っている。
(マップ:鳴沢村)


キャベツワイン 
JA鳴沢村が1989年、勝沼町の業者に委託し、村特産のキャベツを使った「キャベツワイン」が登場。野菜を活用したアイデアは、変わり種として今でも注目を集めている。アルコール分13%で、やや甘口。
(マップ:鳴沢村)

富士桜ワイン
「キャベツワイン」の人気に続き、地元のフジザクラの実を使って91年に誕生した。アルコール分13%で、女性向けの甘口。
(マップ:鳴沢村)

富士桜ソフトクリーム 
村の特産品として、JA鳴沢村が3年前に開発。「ふじざくらシロップ」に通常のソフトクリームを混ぜたもの。シロップづくりは業者に委託。シロップの原料には、富士山ろく地方に自生するフジザクラから地元住民が採取した実を使用。ピンク色で、ほんのりとサクランボの味で若い女性に人気。道の駅なるさわで。
(マップ:鳴沢村)

おやき 
村特産のトウモロコシや小麦、そば粉で作った皮が、カボチャ、あん、鳴沢菜の3種類の中身を包む。村民の試食アンケートで人気の高かったものを商品化。村を代表する「味」になりそうだ。道の駅なるさわで販売中。
(マップ:鳴沢村)


キャベツ 
1960年代から生産され80(昭和55)年、国指定のキャベツ産地に。栽培面積は村内の約100haと、勝山、河口湖、都留など村外に土地約50haを借りて栽培、出荷量は年間約5千t。主に京浜地方に出荷される。昼と夜の温度差が大きいことから「柔らかくて甘い」のが特徴だ。
(マップ:鳴沢村)


■なるさわクリエーションパーク(8532-63)
豊かな自然との共生、文化の拠点づくりを目指した、富士山ろくの樹海9.3haに展開する総合公園。富士山の成り立ちなどを紹介する「なるさわ富士山博物館」、多目的文化ホール、「フジエポックホール」、とりたての野菜や特産品などが並ぶ「道の駅なるさわ」、流岩樹型など自然の生んだ神秘的な芸術品を満喫できる「自然探索路」がある。
(マップ:鳴沢村)

なるさわ富士山博物館 
太古の地球の姿や富士山のなぞに迫る最新テーマパーク。館内は「地球の活動期」「映像シアター」「サイエンスワールド」の3ゾーンに分かれている。3面マルチ映像で、富士山上空からの小旅行が疑似体験できる「マウント・フジ・シアター」、水脈や溶岩の流れが光で表示される「富士山模型」などがある。また地球の活動期、火山の爆発によって埋もれた実物2倍の「ティラノザウルス」の顔や腕がコンピューターでリアルに動く。※0555・20・5600。
(マップ:鳴沢村) ※写真はこちらです

道の駅なるさわ 
地域の特産品を直売する物産館、休憩所、軽食コーナー、案内情報提供機能を備えたインフォメーション館。乗用車106台、大型バス16台収容の大駐車場、トイレを完備。ドライバーらの憩いの場として利用されている。国道139号沿い、中央自動車道河口湖インターチェンジより15分の場所に位置する村の新しいランドマーク。※85・3900。
(マップ:鳴沢村)

富士山5合目 
県営富士山有料道路終点で標高約2300m。ここから山頂を目指す人も多い。山開きには小御岳神社で登山者の安全を祈願してみこしが繰り出す。約千台収容できる駐車場や売店5軒、休憩所などがある。
(マップ:鳴沢村)

紅葉台木曽馬牧場(8529-86)
木曽馬24頭を飼育しており、一年を通じて乗馬が楽しめる。インストラクターが付き、周辺の農道を散策する初心者向けの1・2kコースから紅葉台に向かう上級者向けの6kコースまである。※85・3138。
(マップ:鳴沢村)

ふじてんスノーリゾート(8545-1)
面積65ha、最大斜度32度、平均斜度13度。初心者コースから上級者コースまであり、スキー、スノーボードの靴、板などのレンタルも可能。オフ・シーズン(5―11月)は、グラススキーやターゲットバードゴルフなども楽しめる。都心から最も近いスキー場として人気がある。※85・2000。
(マップ:鳴沢村)

富士眺望の湯ゆらり(8532-5)
和風の3階建てで、富士の見える高見ぶろ、露天ぶろ、洞窟(どうくつ)ぶろ、香りぶろ、塩釜蒸しぶろなど16種類とバラエティーに富む。無料休憩室2室(54畳・28畳)、有料休憩室4室、昔懐かしい囲炉裏のある食事処などを備える。カルシウム、マグネシウム、ナトリウムを豊富に含む湯は、神経痛、慢性婦人病、慢性消化器病などに効能がある。営業時間は午前10時―午後10時。年中無休。※85・3126。
(マップ:鳴沢村)